Q&A
「強度の精神病」(民法770条1項4号)はどのような場合ですか。
1 「強度の精神病」とは 「強度の精神病」(民法770条1項4号)とは、単に精神病に罹患しているだけで足りず、それが強度のもので回復が困難な状況にあることが必要とされています。 ここでの「精神病」とは、統合失調症、躁うつ病などを指し、アルコール中毒や認知症などは含まないと考えられています。 2 判断基準 (1) 精... 続きはこちら≫
財産分与はどのように考えればいいですか。
1 対象となる期間 1−1.婚姻から同居のまま離婚 財産分与は、離婚、すなわち、夫婦が婚姻後、離婚するまでに協力して形成した財産を清算する手続ですから、どの時点で形成された財産を考えるかは、原則として婚姻から経済的な共同関係が解消された時点までとなります。 具体的には、同居をされている方が、離婚をした場合には... 続きはこちら≫
養育費等を調停で取り決めたとして、相手が支払いをやめた場合にはどう対処すればよいですか。
1 強制執行制度 成立した調停の効力について理解するには、強制執行制度について知っておく必要があります。 社会の紛争は、最終的には裁判制度によって法律的な解決が図られますが、解決内容を国家が強制的に実現させる制度を設けないと裁判制度が実効性のあるものになりません。これが強制執行制度です。 金銭を回収するための... 続きはこちら≫
学資保険は財産分与の対象になりますか?
1 保険内容の把握 学資保険とは、教育費のための資金を積み立てることを主たる目的とする保険です。 保険内容は、満期受取金のみのものや、一定の年齢に達した場合に祝い金が納付されるものなど様々ですが、貯蓄性の保険であることは共通しています。貯蓄性の保険については、婚姻期間中にその保険料を支払っている場合には財産分与... 続きはこちら≫
離婚時の年金分割について教えてください。
1 年金分割とは 現在、施行されている公的年金制度は、国民年金(基礎年金)を基礎とし、それに厚生年金保険、共済年金と厚生年金基金、確定給付企業年金、適格退職年金、確定拠出年金(企業型)、職域加算部分を重ねたもので、いわば3階建ての構造になっています。 年金分割の制度は、年金の2階部分、被用者年金(厚生年金と共済年... 続きはこちら≫
父親は離婚時に親権者になれますか?
離婚時に父親が親権者になれないことはありません。裁判所は子どもへの愛情や親の経済力、健康などを考慮して親権者を決めます。 すなわち、裁判所が親権者をどちらにするかについて判断する場合、子供の利益と福祉を基準として決定しています。その基準を一般的にいえば、いろいろな事情を比較衡量して総合的に判断するということです。 父... 続きはこちら≫
婚姻費用分担義務とは何ですか?
1 婚姻費用の分担義務 夫婦は、相互に扶助義務があるので、婚姻費用についても、相互に分担することになりますが、婚姻費用の分担義務の内容は、「生活扶助義務」(自分の生活を犠牲にしない限度で、被扶養者の最低限の生活の扶助を行う義務)にとどまらず、「生活保持義務」(自分の生活と同程度の生活を保持させる義務)とされています。... 続きはこちら≫
離婚で親権を失った子どもと離婚後も定期的に会うには?
婚姻している夫婦が離婚する場合に、その間に未成年の子供がいれば、父母のいずれか一方が親権者(単独親権)となり、子供と同居してその監護養育をします。また、子供のいる夫婦が離婚することなく別居し、父母のいずれか一方が子供を監護養育している場合があります。これらの場合に、親権者とならなかった親や子供を監護養育していない親(... 続きはこちら≫
夫と別居しようと考えています。別居後、夫に私の生活費を請求できますか。
1 婚姻費用 1−1.生活保持義務 夫婦は、互いに相手が自分と同等の生活を送れるよう保障する義務を負います。それを生活保持義務といいます。生活保持義務は、夫婦の同居中はもちろんのこと、婚姻中である限り、夫婦が別居していたとしても認められます。 1−2.婚姻費用 このような夫婦間の生活保持義務に基づき、夫婦の一方(原則と... 続きはこちら≫
精神病を理由に離婚できますか?
1 不治の精神病(民法770条4号) 「配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがない場合」であることを要します。 1−1.肯定事例 統合失調症によって、口頭弁論終結時まで6年間入院していた事案について、妻のかかっている「精神病はその性質上強度の精神病というべく、一時よりかなり軽快しているとはいえ、果たして完全に回復... 続きはこちら≫