調停離婚を弁護士に依頼するメリットとは?知っておきたいポイントを解説
- 執筆者弁護士 山本哲也
「離婚調停に弁護士をつけると、どういったメリットがあるのでしょうか?」
という疑問を持つ方が多数おられます。
確かに離婚調停は話し合いによって進める手続きなので、詳しい法律知識がなくても対応できます。
しかし現実に1人で離婚調停を進めると不利になるリスクも高くなるため、基本的には弁護士に依頼しましょう。
今回は離婚調停を弁護士に依頼するメリットや費用の相場、弁護士に依頼すべき状況や弁護士選びのポイントなど、知っておきたい知識をご紹介します。
離婚調停を申し立てる方や申し立てられた方はぜひ参考にしてみてください。
離婚調停を弁護士に依頼するメリット
離婚調停を弁護士に依頼すると、以下のようなメリットがあります。
1.手間、労力、時間を節約できる
離婚調停を申し立てるには、調停申立書を作成して必要書類を集めて家庭裁判所へ提出しなければなりません。その後に裁判所とのやり取りも必要です。
調停が始まった後も、各種資料を収集したり、陳述書をまとめたり、調停委員と話をしたりしなければなりません。自分で対応すると、手間や時間がかかってしまうでしょう。
弁護士に依頼すると、申立書や資料の収集、相手方や裁判所とのやり取りなどすべてを任せられるので、ご本人に労力がかかりません。
その分、日常生活や仕事などの必要事項へコストを振り向けられるメリットがあります。
2.調停委員を味方につけやすい
離婚調停を有利に進めるには、調停委員とのコミュニケーションが重要です。
自分の言いたいことをわかりやすく説得的に伝えられたら、調停委員から肩入れしてもらえる可能性が高くなります。
ただ、ご自身で対応するとどうしても感情的になったり必要な事項をピンポイントで伝えられなかったりして、調停委員とのコミュニケーションが円滑に進まないケースが多々あります。
弁護士に依頼すると、法律家としての視点から調停委員へ説得的な話ができます。調停委員に肩入れしてもらいやすく、調停を有利に運びやすいメリットがあるといえるでしょう。
3.ベストな対応を教えてもらえる
離婚調停を進める際には、さまざまな判断を求められます。
たとえば相手から提案があれば、受け入れるかどうかを決めなければなりません。
こちらから対案を出すなら、どういった案を提示するか慎重に検討すべきです。
お1人ではベストな対応方法がわからない方が多いでしょう。
離婚調停を弁護士に依頼していたら、法律知識や経験にもとづいて状況に応じた最善の対処方法をアドバイスしてもらえます。
専門家による的確な判断によって、自己判断で不利益を受けるリスクを低減できるのはメリットとなるでしょう。
4.精神的に安定できる
離婚問題を抱えていると、非常に大きなストレスがかかるものです。
不眠や食欲不振などの症状が出る方も多いですし、抑うつ状態、うつ病となってしまう方も少なくありません。
弁護士に調停を依頼すると、「法律の専門家が守ってくれる」安心感を得られるので、精神的負担が大きく軽減されます。
相手との直接のやり取りも不要となりますし、調停委員に対しても弁護士が代理で意見を言ってくれるので、口下手な方でも安心です。
離婚問題にまつわるさまざまなストレスを軽減できることも弁護士へ依頼する大きなメリットの1つといえるでしょう。
5.離婚調停が決裂しても安心
離婚調停が決裂したら、訴訟を起こすかしばらく別居して様子を見るなどの対応が必要です。
具体的にどうすべきかについては、法定離婚原因があるかどうかを含め、個別のケースに応じて決定しなければなりません。
1人で離婚調停に対応して決裂しそうになると、その後どうすればよいのかわからず、不安な気持ちになるものです。「1人で離婚訴訟を起こすのは無理」と思い詰めて、相手方から提示された条件が不利でも受諾してしまう方も少なくありません。
弁護士に離婚調停を依頼したら、不成立になった後も対応を任せられるので安心です。
どういった進め方がベストなのかアドバイスしてもらえますし、訴訟になっても弁護士に任せれば良いだけです。
離婚調停の決裂をおそれる必要がなくなることも、弁護士へ依頼する大きなメリットといえるでしょう。
離婚調停を弁護士に依頼すべきケース
特に以下のような状況であれば、離婚調停を弁護士に依頼するのが得策です。
1.自分で対応するのが面倒
1人で離婚調停に対応すると、時間も労力もとられます。
対応の手間を削減したいなら弁護士に一任しましょう。
2.強いストレスがかかっている
離婚トラブルが強いストレスとなっている自覚があるなら、すぐに弁護士へ相談しましょう。
自分の気持を代弁してくれる人がいるだけで、心が軽くなったとおっしゃられる方は多くいます。
3.相手に弁護士がついている
相手に弁護士がついている場合、こちらが1人で対応すると著しく不利になってしまうリスクが高くなります。
必ず自分の味方になってくれる弁護士をつけましょう。
4.親権争いが起こっている
親権について争いがある場合、早い段階から適切に対応しないと親権者になるのが難しくなってしまう可能性があります。
できれば調停申立前の段階から、早めに弁護士へ依頼しましょう。
5.財産分与が高額で対立している
財産分与が高額あるいは分与財産がたくさんあって、財産内容や割合などについて争いが生じているなら、早めに弁護士へ依頼すべきです。
相手が財産隠しをしているなら開示させるべきですし、適正な方法で評価する必要もあります。
自己判断すると損をしてしまうリスクが高くなるので、専門家によるアドバイスやサポートを受けましょう。
6.調停委員が相手に味方しているように感じる
離婚調停を進めていて「調停委員が相手に味方している」「調停の流れが相手方の方に向かっている」と感じているなら、すぐにでも弁護士をつけるべきです。
放っておくと、どんどん相手方の有利な方向で調停が進んでしまうリスクが高まります。
7.DVやモラハラの被害を受けている
DVやモラハラ案件では、必ず弁護士をつけましょう。
特に身体的暴力を振るわれている場合、裁判所や周辺で鉢合わせすると被害に遭う高い危険が発生します。
弁護士がついていれば相手に対しての牽制となりますし、送達先が弁護士事務所になるので相手に住所を知られる可能性もありません。
弁護士から裁判所へ事情を伝えれば、別室での調停にしてもらう事もできますので、心理的な安心感も大きくなります。
8.調停が決裂しそうになっている
調停が決裂しそうな状況なら、一度弁護士へ相談してみてください。
そのまま不成立にするのがよいのか、最後に何らかの提案や交渉を持ちかけてみるのがよいのかアドバイスをもらえますし、決裂後の訴訟や相手方とのやり取りも任せられます。
離婚調停にかかる弁護士費用
離婚調停を弁護士に依頼すると費用がかかります。具体的にどのくらいになるのか、相場をご紹介します。
相談料
相談料は弁護士に離婚問題を相談する際に発生する費用です。
限られた時間内でしっかりとカウンセリングを行う弁護士を選ぶ必要があります。
なお、依頼前は相談料が有料であっても、依頼後であれば相談料はかからない場合が多いでしょう。
着手金
着手金は離婚調停や訴訟などの手続きを弁護士に依頼するとき、当初に支払う費用です。(手付金のようなイメージです。)
離婚調停の相場はおよそ30万円です。
成功報酬金
成功報酬金は離婚調停が成立して離婚問題が解決されたときに支払う費用です。
相場は30~40万円程度で、慰謝料や財産分与などの経済的利益があればその10%程度が加算されます。
上記の他、親権者について争いがあれば親権を取得できた際に報酬が発生しますし、養育費の取り決めができたときに報酬金が加算される事務所もあります。
報酬規定は各事務所によって異なるので、依頼前にきちんと説明を受け、見積書を出してもらって理解しましょう。
離婚調停の弁護士選びのポイント
離婚調停を弁護士に依頼するとき、どういった人でもよいわけではありません。
弁護士選びのポイントをお伝えします。
1.離婚案件の経験豊富、実績が高い
まずは離婚案件についての解決実績に着目しましょう。
多くの離婚事件を解決した経験のある弁護士は、ノウハウも知識も蓄積しているものです。家庭裁判所での手続きにも慣れており裁判所の傾向も把握しているので、有利に進められる可能性が高まります。
これまでの実績や重点取扱分野については、ホームページの記載を見たり弁護士に直接尋ねたりして把握しましょう。
2.所属弁護士数が多い法律事務所
1人より複数の弁護士のいる事務所がおすすめです。
複数いれば自分に合った弁護士を選びやすいですし、事務所内で弁護士同士のチェック機能がはたらいて、安心して依頼できるからです。
山本総合法律事務所は群馬県では最大レベルの弁護士事務所です。事件内容は弁護士同士で共有してしっかり方針を立てて進めていきますので、離婚問題はぜひご相談ください。
3.親身に話を聞いてくれる、コミュニケーションをとりやすい
離婚問題は非常にプライベートでかつデリケートな問題です。親身な姿勢で対応してくれる弁護士を選びましょう。
また忙しい方でもメールなどで連絡をとりやすく、コミュニケーションが円滑な弁護士を選ぶようお勧めします。
群馬の離婚問題はお気軽にご相談ください
山本総合法律事務所では2007年の開業以来、3500件を超える離婚にまつわるご相談が寄せられました。
6名の弁護士による「お客様に寄り添う」法律相談で、お悩みの解決をサポートいたします。
離婚調停の申立人や相手方となって頼りになる弁護士を探しておられるなら、ぜひとも一度ご相談ください。