相手が話し合いに応じないため、裁判によって離婚を成立させたケース
- 執筆者弁護士 山本哲也
ご依頼者様データ
ご依頼者様 |
30代男性(公務員) |
相手方職業 | 公務員 |
子ども | あり |
離婚請求 | 求めた側 |
理由 | 性格の不一致 |
依頼に至った経緯
長らく夫婦の不仲が続き、離婚を前提に別居を始めましたが、妻が話し合いを拒否しているために、先に進まない状態となっていました。
「なるべく早く離婚したいので、弁護士にお願いしたい」との事でご依頼となりました。
弁護士が実施したこと
まずは妻に対し、受任通知を送り、妻側と電話で離婚意思の確認を行いました。
妻としては、「離婚について決心ができないので、すぐに応じることはできない。」との回答でした。
そのため、最終的に訴訟を見据え、離婚調停を申し立てることにしました。
離婚調停においても、妻は離婚に応じられない姿勢を崩さなかったことから、調停は不成立となりました。
訴訟を提起し、裁判で判断をしてもらうことになりました。
裁判においては、以下の点が争点になりました。
①離婚できるかどうか
②養育費の月額・支払を終える時期(子どもが20歳の時か、22歳の時か)
③財産分与の有無・金額
①離婚できるかどうか
本件では別居期間が比較的長期であること及びその他の夫婦の協力関係が見られない事情を説明し、婚姻関係が破綻していること。
参考リンク:性格の不一致で離婚する方法
②養育費の月額・支払を終える時期(子どもが20歳の時か、22歳の時か
お子さんがまだ小さく、大学進学を前提にした22歳までの支払いはできないこと。
また、双方の収入資料に基づいて算定すべきであり、プラスアルファの金額を支払う理由はないこと。
③財産分与の有無・金額
妻側から財産分与を求められたものの、これまでご依頼者から妻に対して、生活費等で支出している金額があることを前提に、分与すべき対象額が存在しないこと。
上記3点を裁判の中で主張しました。
得られた結果
こちらの主張がほぼ認められ、下記条件で離婚が成立しました。
①婚姻関係が破綻していることが認められ、離婚が成立
②双方の収入を前提とした月額を20歳まで支払う
③財産分与なし
手がけた感想
離婚が成立するためには、条件面もありますが、大前提として、離婚意思が合致する必要があります。
離婚意思が合致しない場合には、最終的に訴訟を行う必要がありますが、離婚訴訟を提起するためには、離婚調停を必ず行う必要があります(調停前置主義)。
本件では、交渉段階から妻の離婚意思はないことが明白であったため、裁判を見据え、離婚調停を早期に申し立てることで、離婚成立までの期間を短縮することができました。