離婚後も婚姻時の姓を名乗れますか?

更新日:2023/04/26

1 離婚後の戸籍

指輪

 婚姻の届出をするときは、夫婦となる者の協議により、夫又は妻の氏を称することになります(民法750条)。そして、離婚の届出をする場合、婚姻により氏を改めた妻(又は夫)は、原則として、婚姻前の氏に復することになります。

ただし、その戸籍がすでに除かれていた場合(戸籍の筆頭者をはじめ全員が死亡又は新戸籍編成等の理由で戸籍から除かれてしまうこと)や婚姻により氏を改めた妻(又は夫)が離婚により新戸籍の編成の申出をした場合には、新しく戸籍が編成されます(民法767条1項、戸籍法19条1項)。

2 婚氏続称制度

 婚姻前の氏に復した者は、離婚の日から3ヶ月以内に、戸籍法に定めている「離婚の際に称していた氏を称する届」をすれば、婚姻前の氏に復することなく、離婚の際に称していた氏(婚姻中の氏)を称することができます(民法767条2項、戸籍法77条の2)。つまり、婚姻により氏を改めた妻(又は夫)は、離婚に際し、届出をすることにより、婚姻前の氏に復すること(復氏)も、離婚の際に称していた氏を称することもできます(婚氏続称)。この届出は、夫婦の本籍地又は届出人の所在地の役所に提出します。

3カ月という短い猶予期間なので、婚氏を離婚後も名乗りたい人は、届出の期限に留意し、離婚の話し合いをする時に氏についても考えを決めておくと良いでしょう。

 

 より詳しいことにつきましては、離婚の実務に精通した弁護士にご相談ください。

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